GO GREEN KOBE 環境にやさしい神戸をつくる。

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環境活動

最終更新日:2024年2月2日

私たちが環境のためにできることはひとつじゃない。
大学生と神戸市若手職員による
ディスカッションで見えてきた実践のヒント。

神戸市環境局 若手職員×こべッコリー

 

みなさんは普段、身近な人と環境問題について話すことはありますか?異常気象やレジ袋有料化など、暮らしの中で変化を感じても、誰かと共有する機会は少ないのではないでしょうか。話をしてみると新しい発見やアイデアが見つかるかもしれません。2023年12月25日、大学生と神戸市環境局の若手職員による、「環境にやさしいアクション」をテーマにした意見交換会が開催されました。一体どんな話が飛び交ったのでしょうか?今回は当日の様子をレポートします。

 

大学生チーム「こべっコリー」によるアンケート調査で、多世代の環境への意識が明らかに。

前半は、こべっコリーによるアンケート調査の結果報告がありました。こべっコリーは「環境にやさしいことをやってみた」をコンセプトに活動する大学生チームです。「環境問題には関心があるけれど、何をしたらいいか分からない」と悩む学生が集まり、GO GREEN KOBEのお手伝いや、海洋プラスチックのアクセサリー制作などの自主企画に取り組んでいます。2023年10月29日に開催された「こうべ環境博覧会 かんぱく」では、環境にまつわるアンケート調査を企画しました。シールやふせんを貼る質問パネルを4つ会場内に配置し、スタンプラリー形式で楽しみながら参加してもらうようにしました。企画の目的は、来場者の考えを見える化し、色々な人の意見に触れられる機会をつくること。子どもからお年寄りまで多様な世代が参加し、およそ200名の回答が得られました。

1つ目の質問は「夏場のエアコン使用で心がけていることは?」。「①ためらわずに使う」「②設定温度に気をつけている」「③できるだけ使わない」「④その他」の選択肢を設けました。その結果、一番回答が多かったのは「②設定温度に気をつけている」。詳しく理由を聞くと、適切な設定温度を知らない方もいたのだそう。「①ためらわずに使う」を選択した方は、「暑さに弱い家族がいる」「ペットがいるから」とやむを得ない理由があるようでした。「④その他」では、「サーキュレーターの使用」「涼しい場所に出かける」などのアイデアも。メンバーの氷見さんは「いろんな工夫を組み合わせて利用できればいいと思います。」と考察しました。

2つ目は「普段食べ物を残したり、捨てたりしますか?」という質問です。結果は「いいえ」が圧倒的多数。回答の理由として「給食を残さず食べている」といった子どもの声や、「余った食材でお好み焼き」「キウイの皮も食べられる」などの具体的なアイデアも聞かれました。「はい」を選択した方の中には、「後で食べようと思っていて忘れていた」「夏場は捨てる量が増える」「お得な情報につられて買いすぎてしまう」といった意見が。メンバーの白根さんは「家庭から出る食品ロスも多くあるので、身近なところから削減してほしいと伝えたいです。」と話しました。

3つ目は「落ちているごみは気になりますか?拾いますか?」という質問。「気になる・気にならない」を縦軸、「拾う・拾わない」を横軸にした数直線上にシールを貼る方法を取りました。結果は「気になるけれど、拾わない」が最も多く、次いで「気になって拾う」「気にならないし拾わない」という順に。詳しく話を聞くと、「地域でのごみ拾いに参加している」「近くにごみ箱があれば拾う」「拾うのは、人の目が気になって恥ずかしい」といった意見がありました。メンバーの三野さんは「落ちているごみを見てどのように感じるかなど、気持ちの面もヒアリングできればよかった。ごみ拾いの環境を整えることも大事ですが、そもそも道にごみが落ちないように心がけることが大切だと思います。」と話しました。

4つ目の質問は「あなたが普段行っている環境にやさしいことを教えてください」。自由記述でさまざまな意見が集まりました。一番多かったのは、マイボトルとマイバック。かんぱくの来場者にとっては、かなり身近な存在になっているようでした。他にも「公共交通機関を利用する」「詰め替えパック」「節電」などが挙げられました。メンバーの永尾さんは「プラスチックごみ削減に関する意見が多かった印象です。環境をより広く考えてもうらためには、問いかけの工夫が必要だと思います。」と話しました。

こべっコリーからの報告を受けて、次は意見交換の時間です。神戸市職員のみなさんから、「どの世代も回答しやすいアンケートだったのでは。今後市が行う意見集約で参考にしたい。」「世代別に聞くと新しい傾向が見えてきそう。」「自分の回答だけでなく、周りの回答も知れるので気づきがあったのでは。」といった感想が伝えられました。「意外な結果はあったか」という質問に対してこべっコリーメンバーは「エアコンをできるだけ使わないと答えた人が予想より多かった。」「ごみを拾う人が意外に多かった。」と回答。終盤には、「環境にやさしいという理由だけで行動に移せるのか?」という話題に。「節約など自分に分かりやすくメリットがあると分かれば動きやすいかも。」「やってみたいけどまだ行動できていない人たちへ、必要な情報や機会を提供していくべきでは。」などのアイデアが挙げられました。

こべっコリー かんぱくアンケート報告資料(PDF)

 

 

環境に携わる若者のアクションはバラエティ豊か。

後半は、こべっコリーと神戸市環境局の若手職員のみなさんで「普段行っている環境にやさしいこと」についてディスカッション。一人ずつ意見を発表し、話を深掘りしていきました。ここからは、ディスカッションの様子をテーマ別にご紹介します。

① ファッション

白根さん(こべっコリー)
母の服を着ることがあります。祖母と母が、素材のいい服を長く大事に着ているのを見て影響を受けました。祖母の手編みのニットを着ることも。

氷見さん(こべっコリー)
オンラインショップで安く服を買わなくなりました。大学生になったばかりのころは、質より量だと思っていたんですけど。安い服はワンシーズン着るだけで、悪くなってしまいます。

三野さん(こべっコリー)
私も、着まわせて長く着られる服を選ぶようにしています。今日着ている服も中学生のときに買った服なんです。今新しく服を買う場合は、社会人になっても着られるような、落ち着いた無地のものを選ぶようにしています。

全員
すごい!

氷見さん(こべっコリー)
着なくなった服は、店頭にある回収ボックスに入れるようにしています。

西山さん(神戸市職員)
クリーニング屋さんでも見かけますよ。

矢指本さん(神戸市職員)
引っ越しのタイミングに、リサイクルショップに持って行きました。寄付だったんですけど、捨てるより断然いいと思って。

氷見さん(こべっコリー)
私が寄付したお店では、海外の紛争地帯の子どもに送られるそうです。ただ、服を送った先でごみの問題が発生してしまうこともあるかもしれない・・。押しつけになっていないか気になります。

川添さん(神戸市職員)
古くなった靴下は必ず雑巾にしています。新しい雑巾をわざわざ買いません。

白根さん(こべっコリー)
そういえば、小学校のころ、学期の初めに雑巾を持っていかないといけなくて、温泉でもらった薄手のタオルで作っていました。

② 食品ロスの防止

氷見さん(こべっコリー)
食材を買ったその日に、下味をつけて冷凍保存しています。忙しいときにも便利ですよ。

永尾さん(こべっコリー)
コーヒーかすを乾燥させて脱臭剤として使っています。母から教えてもらいました。

西山さん(神戸市職員)
賞味期限がきても、すぐに捨てずに食べられるものは食べるようにしています。

白根さん(こべっコリー)
母がお弁当用のおかずをまとめてつくって、冷凍しています。「手作り冷凍食品」ですね。

三野さん(こべっコリー)
冷蔵庫の余っている食材で作れる料理をネットで検索します。

氷見さん(こべっコリー)
コンビニでアルバイトしているのですが、ロスが出たら手に持てるだけ持ち帰っています。

③ エアコン

大岩根さん(神戸市職員)
エアコンはほとんど使わないですね。今年一度も暖房をつけていないな・・。こたつとかで問題なく過ごしています。我慢している感覚ではないです。

全員
え~!

矢指本さん(神戸市職員)
暖房は使いますけど、先に着込むようにしていますね。

氷見さん(こべっコリー)
分かります!暖房を1℃上げるくらいなら、暖かい靴下とか着込んでみます。

④ マイボトル

西山さん(神戸市職員)
以前は、ペットボトルの水を買っていたのですが、浄水器に変えました。環境のため、というよりごみ出しが楽になるからという理由が大きいかも。

白根さん(こべっコリー)
ペットボトルを毎日買う人はお金がもったいないですよね。

三野さん(こべっコリー)
海外では、ペットボトルをリサイクルしたらいくらか返ってくるシステムがあるって聞いたことがあります。日本でもそんな仕組みがあったらいいなと思います。

⑤ プラスチックの削減

川添さん(神戸市職員)
紙ストローはふやけて飲みづらいと思いませんか?

矢指本さん(神戸市職員)
分かります!

大岩根さん(神戸市職員)
マイ箸は聞くけど、マイストローはあまり拡がっていないですね。洗うのが大変だからかな。

白根さん(こべっコリー)
ストローを紙にする前に、フタがプラスチックなのが気になります!削減するところは他にも沢山あると思うんですよね。

永尾さん(こべっコリー)
飲食店でアルバイトしているのですが、当たり前にストローを渡さずに「ストローいりますか」って聞くようにしています。

氷見さん(こべっコリー)
アルバイトしているコンビニで、毎日レジ袋を買う人がいるのですが、エコバックを持ってこないのが不思議で。「袋、(本当に)いりますか?」とちょっと強気で聞いてみることがあります。

三野さん(こべっコリー)
エコバックはいつもかばんに入れています。ただ、エコバックが大量生産されているのは違和感があります・・。

⑥ 買い物で心がけていること

氷見さん(こべっコリー)
買い物では、わざわざフェアトレードやオーガニックのお店には行かないけれど、迷ったときは環境にいい方を買うようにしています。

西山さん(神戸市職員)
ここ4年くらい百円ショップに行っていないです。どうせ買うなら、できるだけ長く使えるものを買った方がいいかなと思って。

⑦ エコな移動

白根さん(こべっコリー)
できるだけいけるところまで自転車で行くようにしています。環境のためというのもあるけれど、交通費の節約と運動にもなるから。

矢指本さん(神戸市職員)
車のエコモードで、スコアが表示されるのが楽しい。いい点を取りたくてエコな運転を頑張りたくなるんですよね。

大岩根さん(神戸市職員)
車を購入するときに電気自動車を検討したのですが、充電スポットが少ないし、まだまだガソリン車より高価なので断念しました。もっと導入しやすくなればいいと思います。

⑧ 紙資源

白根さん(こべっコリー)
捨てるチラシを集めておいて、裏面を計算用紙に使っています。

氷見さん(こべっコリー)
大学で、iPadをノート代わりにしている人は多いですよ。

矢指本さん(神戸市職員)
職場では、ペーパーレス化が進んできていますね。なるべく紙資料を使わないようにしています。

⑨ ごみの分別

川添さん(神戸市職員)
ごみの分別って複雑だと思いませんか?理解して分別している人がどれだけいるだろうと思うことがあります。

西山さん(神戸市職員)
ペットボトルを燃えるごみで出している人がいて、驚きました。

永尾さん(こべっコリー)
私が住んでいるマンションでは、ごみの分別がしっかりしていて、いつでも捨てにいけるごみステーションがあるから助かっています。

矢指本さん(神戸市職員)
分別を怠ったら、ごみの収集車が燃えたり、焼却炉が壊れたり・・。危険なこともありますよね。

氷見さん(こべっコリー)
まわりまわって自分に影響が出てくると思うので、分別は意識しています。

 

行動を始めたきっかけに、行動する人を増やすヒントがある。

第2部のディスカッションは時間をオーバーするほどの大盛り上がり。「想像以上に面白い意見がたくさん聞けた。」とそれぞれの意見に刺激をもらったようでした。会の最後に、環境局環境副局長の藤井さんと環境創造課長の柴田さんからコメントがありました。

柴田さん(環境創造課長)
話を聞いていて、家族などの身近な人から教えてもらったという声が多かったのが印象的です。一人一人できることが少しずつ、増えていけばよいと思いました。

藤井さん(環境局副局長)
手間をかけて環境のために取り組む人はまだまだ少ないです。そこでみなさんには、「行動をなぜ始めたのか?」「どうして気づいたのか?」を意識してほしいと思います。どう伝えれば、誰もが自然と行動に移せるようになるかぜひ考えてみてください。

環境のためにできることはまだまだ沢山あって、一人でやるよりみんなで共有する方が、世界が広がっていくのだと実感する会となりました。みなさんもぜひ家族や友人と話をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

こべっコリー

「環境問題に興味があるけど何をしていいか分からない」大学生(神戸市内の学生を中心に)が集まり、神戸市内の活動への参加や、環境問題について気軽に話せる場づくりをしている。

Instagram
https://www.instagram.com/kobeccoli/

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